商標が上記のように看取されることは,知ら ないとした上,原告が取得したドメイン名「mizuho.net」 は,インターネットのIPアドレスとドメイン名を結び付けるDN S(Domain Name System)の仕組み上,一体不可分のものであると主 張するが,ドメイン名が一体不可分のものであるか否かと,本願商標 の上記各文字部分が視覚的に分離して看取されるか否かは,別の問題 であるから,原告の主張は上記認定を左右するものではない。
(イ) 本件審決時(平成20年5月21日)において,引用商標は,保 険業務(生命保険契約の締結の媒介に関する情報の提供,生命保険の 引受けに関する情報の提供,損害保険契約の締結の代理に関する情報 の提供,損害保険に係る損害の査定に関する情報の提供,損害保険の 引受けに関する情報の提供)について,みずほフィナンシャルグルー プの使用に係るものとして,取引者・需要者間に広く認識されていた ことは,原告も認めるところであって,当事者間に争いがない。
そうすると,保険業務を指定役務に含む本願商標は,その構成中 の「MIZUHO」の文字部分が,みずほフィナンシャルグループに 関係するという強い印象を与えるものというべきである。
この点,原告は,いわゆる「net」ドメインでは,「使用者の組 織名」のみでなく,「サービス名」を用いることもあるから,本件審 決が,本願商標の前半部がドメインの「使用者の組織名」を表すとし た点には,根拠がないと主張する。
しかし,「net」ドメイン一般 において,「サービス名」が用いられることが少なくないとしても, 既に説示したとおり,本願商標の構成中の「MIZUHO」の文字部 分が,みずほフィナンシャルグループに関係するという強い印象を与 えるものであり,原告の上記主張はこの点の判断を左右するものでは ない。
また,原告は,本願出願時には,引用商標が,保険業務について, 取引者・需要者間において広く認識されているとはいえないと主張す る。
しかし,商標法4条1項11号該当性は,特許庁が登録出願につ いて処分(査定又は審決)をした時点を基準(本件については本件審 決時)として判断すべきであるから,本願出願時を問題にする原告の 上記主張は,主張自体失当である。
(ウ) 証拠及び弁論の全趣旨によれば,一般に,インターネット(the Internet)が「net」(ネット)と略称されること(乙1,甲2の 3)「.net」の表記は,分野別トップレベルドメイン(gTL D)の一つとして,我が国はもとより,世界中で普遍的に使用されて いること(乙2,乙6の1),ドメイン名のうち,ラベル(ピリオ ドで区切られた部分)中では大文字・小文字の区別はないこと(乙6 の2)が,それぞれ認められる。
そうすると,本願商標の構成中の「NET」の文字部分は,「イン ターネット」に通ずる英語「Internet」の略称「net」の 大文字表記と認識され,また,本願商標の構成中の「.NET」の文 字部分は,トップレベルドメイン名である「.net」の大文字表記 と認識されるというべきであるから,本願商標の構成中の「NET」 ないし「.NET」の文字部分は,取引者,需要者において,独立し て役務の出所識別標識として認識されるものではないといえる。
この点,原告は,組織種別としてのネットワーク事業者を示すコー ドは「net」であり,慣習的に「.net」が用いられているにす ぎないから,本件審決が,本願商標の「後半部の『.NET』の文字 部分は,組織種別としてネットワーク事業者を示すコード『.net 』を大文字で表したものである」とした説示は誤りであると主張す る。
しかし,ネットワーク事業者を示すコードが「net」である か,「.net」であるかによって,本願商標の構成中の「NET」 ないし「.NET」の文字部分は,取引者,需要者において,独立し て役務の出所識別標識として認識されるものではないという上記判断 が左右されるものではないので,原告の主張は採用の限りでない。
(エ) 以上によれば,本願商標は,その構成中の「MIZUHO」の文 字部分が,取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支 配的な印象を与える部分と認められる。
イ本願商標の称呼・観念 前記アのとおり,本願商標は,その構成中の「MIZUHO」の文字 部分が,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な 印象を与えるものであるから,本願商標からは「ミズホ」との称呼及 び「みずみずしい稲の穂」の観念が生ずるといえる。
(2) 引用商標の特徴及び本願商標との類否判断 ア引用商標の特徴 引用商標は,「MIZUHO」と標準文字で書してなる商標であり, これからは,「ミズホ」の称呼及び「みずみずしい稲の穂」の観念が生 ずる。
イ本願商標と引用商標との対比 本願商標と引用商標とを対比すると,本願商標は,「MIZUH O」の文字部分と「NET」の文字部分が視覚的に分離して看取される ところ,前者の文字部分の長さは,後者の文字部分の2倍近くあるこ と,本願商標における「MIZUHO」の文字部分が,取引者,需要 者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであ るから,本願商標からは,引用商標と同じく,「ミズホ」との称呼及 び「みずみずしい稲の穂」の観念が生ずること,本願商標における「 NET」又は「.NET」の文字部分は,取引者,需要者において,独 立して,役務の出所識別標識として認識されるものではないことに照ら すならば,本願商標と引用商標とは,「MIZUHO」の文字部分にお いて共通するものであって,同一の称呼及び観念を生ずるものであり, また,外観上も共通するところがあるといえる。
ウ取引の実情 本願商標は,前記(1)で検討したとおり,「MIZUHO」の文字部分 が,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象 を与えるものであること,本願商標における「NET」又は「.NE T」の文字部分は,取引者,需要者において,独立して,役務の出所識 別標識として認識されるものではないことに照らすならば,取引に当た り,本願商標に接する取引者,需要者は,「NET」又は「.NET」 の文字部分ではなく,「MIZUHO」の文字部分に着目するものと認 められる。
エ小括 以上によれば,本願商標と引用商標とは,その外観,称呼,観念の共 通性及び取引の実情に照らして,相紛れるおそれのある類似する商標で あると認めるのが相当である。
3 原告の主張に係る原出願の審査経緯,登録例及び裁判例について 原告は,原出願の審査経緯,登録例及び裁判例に照らし,本願を拒絶すべ き理由はないと主張する。
所得税法
所得税法に同法204条1項2号にいう弁護士の業務について特段の定義規定がない以上,それが租税法上の概念であるとはいえず,同業務は,弁護士法3条1項所定の法律事務と同義と解すべきである。
そして,破産管財人の業務は,上記法律事務に当たらないから,破産管財人の報酬は,弁護士の業務に関する報酬等には当たらない。
この点について,被告は,弁護士の業務に関する報酬等は,広く当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって行う法律事務に隣接し,又は関連する役務の提供に対する対価を含むと主張する。
しかし,源泉徴収制度が本来の納税義務者以外の第三者に源泉徴収義務を負わせるという制度であることに照らせば,このような拡大解釈は許されないというべきである。また,被告の解釈は,曖昧であり,かつ,漠然としており,このような解釈によって源泉徴収義務の有無を決するのは,租税法律主義(憲法84条)の要請である課税要件明確主義に反し,許されない。
また,ある給付が源泉徴収の対象となるためには,支払者と受給者との間に委任契約又はこれに類する原因が存在し,これに基づいて支払われるものでなければならないと解すべきである。
なぜなら,支給者と受給者との間に上記の原因が存在しない場合には,支払者は自ら報酬の支払をする立場になく,その原資(源泉)を有しないから,このような者に源泉徴収義務を課すのは不合理だからである。
そして,委任契約又はこれに類する原因が存在するというためには,受給者の行う事務が支払者のためにされる性質のものでなければならないと解される。
これを破産者と破産管財人との関係について検討するに,破産管財人は,破産法の規定に従って破産財団の管理処分を行い,破産債権者に対する配当等を行うのみであって,破産者の業務の執行には関与しない。
すなわち,破産管財人は包括的執行手続たる破産手続の主宰者として,総債権者のためにその職務を行うのであり,破産者のためにその職務を行うものではない。したがって,破産者と破産管財人との間には,委任契約又はこれに類する原因が存在しないから,破産管財人の報酬は弁護士の業務に関する報酬等には当たらない。
この点について,被告は,破産者と破産管財人との間に委任契約又はこれに類する原因は必要でないと主張し,そのことは,国選弁護人の報酬について源泉徴収されていることによって裏付けられるとするが,国選弁護人の場合は,その報酬を支払う国と国選弁護人との間に委任契約又はこれに類する原因が存在するのに対し,破産管財人は国から報酬を受けるものではないから,国選弁護人の報酬と破産管財人の報酬とを同視することはできない。
しかし,以下のとおり,原告の上記主張はいずれも失当である。
(1) 原告の主張に係る原出願の審査経緯について 原告は,原出願の審査経緯に照らせば,本願を拒絶すべき理由はないと 主張する。
しかし,そもそも,原告の主張に係る原出願の審査経緯は,本願につい ての審査・審判の手続ではないこと,別件審決において判断された原出願 の拒絶理由(商標法4条1項15号違反)と本件審決において判断された 本願の拒絶理由(商標法4条1項11号違反)とは別の理由であり,判断 の基準時点も異なることから,仮に,原出願について原告が主張するとお りの経緯があったとしても,そのことから直ちに本願を拒絶すべきものと した本件審決の判断が誤りであるとはいえない。
原告の主張は採用するこ とができない。
(2) 原告の主張に係る登録例について 原告は,特許庁が,「MIZUHO商標」と「MIZUHO NET商 標」をともに登録商標としたことからすれば,本願も登録されてしかるべ きであると主張する。
しかし,登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断 は,個々の商標ごとに個別具体的に検討,判断されるべきものであるとこ ろ,原告主張の事例は,本件とは事案を同一にするものではないこと,同 事例における特許庁の取扱いは未だ司法審査を経たものではないことから すれば,本願商標が商標法4条1項11号に該当するか否かについての判 断が,原告の主張に係る登録例が存在するという事実によって左右される ものではない。
原告の上記主張は採用することができない。
(3) 原告の主張に係る裁判例について 原告は,「みずほねっと商標」を構成する「みずほねっと」の文字は一 体不可分であるとして,「MIZUHO商標」とは役務の出所について混 同を生ずるおそれはないとした知的財産高等裁判所の裁判例を指摘し,本 願商標の前半部の「MIZUHO」の文字部分も自他役務の識別標識とし ての機能を有さないというべきであると主張する。
しかし,前記(2)のとおり,登録出願に係る商標が登録され得るものであ るか否かの判断は,個々の商標ごとに個別具体的に検討,判断されるべき ものであるところ,「みずほねっと商標」に関する原告主張の裁判例 は,「MIZUHO」の文字部分と「NET」ないし「.NET」の文字 部分が分離して看取される本願商標とは,事案を異にするから,原告の上 記主張は採用することができない。
4 結論 原告はその他縷々主張するが,いずれも理由がない。
以上のとおりであるから,原告の主張はいずれも理由がなく,他に本件審 決を取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって,原告の本件請求は理由がないから,これを棄却することとし,主 文のとおり判決する。
イ検討 (ア) 企画事業会社,相手方が申立人らに対して,雇用契約期間を3年を上 限とすること(いわゆる3年ルール)について説明をしたことを認めるに足りる資 料はなく,上記各雇用契約の契約書面にもこのような上限についての記載はない。
(イ) 申立人らが相手方との間で本件雇用契約を締結したのは,いずれも平 成18年2月24日であるところ,相手方の契約社員規定(相手方就業規則・乙2 号証)がその社員に周知されていたことを認め得る的確な資料はない。
(ウ) 「アルバイト契約の更新について」と題する書面(乙3号証)及び 「契約終了のお知らせ」と題する書面(4号証)は,京都新聞社のアルバイト社員 に適用されるが,申立人らに適用されるものではない。
(エ) 上記ア(ケ)の申立人らに各支給された夏期賞与額は,申立人らの企画 事業会社在籍期間中の平成17年10月から平成18年3月までの査定対象期間を 前提にして支給されたものであり,申立人Aについて平成18年度の基本給16万 7000円の70パーセント(2年以上の在籍係数0.7)に相当する額(11万 6000円),申立人Bについて平成18年度の基本給16万5000円の60パ ーセント(1年以上の在籍係数0.6)に相当する額(9万9000円)をそれぞ れ支給したものと解することができる。
(オ) 本件雇用契約の内容(基本給,有給休暇の日数,夏期賞与の支給額 等)は,相手方に新規採用された者としての雇用条件ではなく,企画事業会社で勤 務していた期間・雇用条件を前提にしてのものといえる。
(カ) 上記ア(コ)で認定したとおり企画事業会社・相手方は申立人らに対し て,申立人らの雇用期間が3年を超えてしまうこと及び本件雇用契約の更新時期を 顧慮することなく,申立人らが次に担当すべき業務を課していたものといえる。
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